このたび日本で初めての日本脳ドック学会公認の脳ドックガイドライン2008に準拠した脳ドック標準データベースを 脳ドック実施施設で広く使って頂きたいと考え、「脳ドック標準データベースホームページ」を立ち上げました。
 私どもは1988年8月に無症候性脳血管障害検査を目的とした日本初のMRIを用いた脳ドックを島根難病研究所で立ち上げました。当初から無症候性脳梗塞、白質障害に注目し、脳卒中発症の危険因子となるかどうか、認知機能への影響などを詳細に検査し、また20年間に及ぶ追跡調査を継続してきました。オランダのRotterdam Scan Studyのような1000名の地域住民をコホートとした追跡研究ではありませんが、日本にしかない脳ドックを活用して4000名以上の追跡を継続している点では世界でも最大規模かつ最長の追跡研究にランクされると思います。日本は世界最大のMRI保有国で、誰でも気軽に検査を受けることが出来ます。脳ドックは我が国の専売特許で全国に600以上もあります。もし、この中から、標準化したデータで追跡調査が出来る施設が10%誕生すれば、年間1万例の登録、追跡調査も夢ではありません。しかし、そのためにはまず無症候性脳血管障害の診断基準の標準化が条件です。従来エビデンスの乏しかった無症候性脳梗塞や白質障害について文科省科研費による班研究で佐々木先生らを中心に読影実験をしてもらい無症候性脳梗塞の診断にはT1,T2,FLAIRの3撮像法が必須であること、白質病変の診断にはFLAIRが必須であるというエビデンスを示し、脳ドックガイドライン2008に明記しました。さらに基礎疾患などの問診項目や検査項目などの標準化もガイドラインに記載しました。このガイドラインを遵守して標準的なデータを蓄積していくために作成したのがこの脳ドック標準データベースです。私どもが長年使ってきたデータベースを基にガイドラインに沿って汎用版として作成したものです。すでに各施設で個別に作成されているとは思いますが検査項目や、診断基準が異なっては施設間比較や共同研究は出来ません。ファイルメーカープロで作成しているので過去のデータの取り込みも容易です。是非この脳ドック標準データベースに切り替えて頂き、脳ドック先進国の日本から世界に発信してみませんか。参加をお待ちしています。まずは自由に使って頂き、可能であれば共同研究に参加して頂ければ幸いです。

日本脳ドック学会・脳ドックデータバンク委員会
委員長 小林祥泰